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好みのタイプという十字架 [愛憎論]

エリさんにトラックバックしてもらったので、トラックバック返しをしてみる。

好みのタイプ
私が過去、好きになった人はあまり容姿的には共通点はないが、
とにかく「どこか斜に構えている人」だったり、「屈折している人」だった。
そんな彼らの「影」の部分にとても惹かれたのだ。
私が知りえない、辛い経験を抱きしめている彼らを、とても愛しいと思っていた。
私が時間をかけてゆっくりと彼らの傷を癒してあげよう、と。
そんな大それた、自分の力を過信した思いを持っていた。


そこはかとなく、ダメ恋愛体質のにおいがします。
エリさんは好みのタイプにこだわる限り、幸せな恋愛は難しいでしょう。
あんまり自分の家庭の話はしたくないのだけど、参考にしてください。



俺の母は、DVの家庭で育った元祖ACです。
もともとは優しかった祖父は、病気で失業してから、荒れに荒れた。
外に女を作って、家では暴力三昧。
祖母は「子供さえいなければ、、、」といつも愚痴っていたらしい。
母は多くを語らないので詳細はわからないが、
相当につらい子供時代を過ごしたことは間違いない。
母は共依存だし、母の妹もばっちりメンヘラーだ。

母は「自分の父親を昔のように優しくしたい」と願って成長した。
その結果、「冷たい男を自分の愛情で優しい人間に変えて、幸せになる」
という十字架を背負うことになった。

母が自分の夢を実現するためには、冷たい男を選ぶ必要がある。
最初から優しい男ではダメなのだ。
だから、優しさのかけらもない人間である父を配偶者に選んだ。
「言い寄ってくる優しい男はいくらでもいた」と、母は子供に自慢していた。
写真を見ると若い日の母はそれなりに美人だし、
共依存の尽くし系だから、父以外の選択肢もあったと思う。
でも、彼女は優しい男には魅力を感じないので、冷たさ故に父を選んだ。
父以上に冷たい男がいたら、そっちを選んだはずだ。
つまり、選択肢が多ければ多いほど、より冷たい男を選ぶことになる。
不幸な家庭で育った女性は配偶者の選択肢が広いほど、不幸になる。
美人薄命とはよく言ったものだ。

父は本当に冷たい人間だ。独善的で、人の話を聞く耳を持っていない。
だから、母がどんな努力をしようと、優しい男になる可能性は無い。
ひまわりの種に、いくら水を注いだところでチューリップは咲かないのと同じこと。
冷たい男に愛情を注げば、優しくなるどころか、増長してよけい冷たくなるだけだ。
優しくされたかったら、優しい男を選ばないといけない。
母が幼少期からみていた夢は、所詮は実現し得ぬ夢なのだ。
必然的に、母の結婚生活はわびしいものになった。

自分のタイプの男を選ぶ限り、母は幸せになれない。
母が幸せな家庭を築くためには、以下の3ステップが必要だった。
① 冷たい男とつきあって、冷たい男を優しくするのは不可能だということを身をもって知る。
② 冷たい男に惹かれる自分の悪癖を自覚し、理性で衝動を押さえる。
③ 最初は強く惹かれないかもしれないけれど、優しい男を選んでみる。
結果として、母は子供に愚痴るだけで、第二の人生をスタートする勇気がなかったので、
どうにもこうにもだったわけです。



日陰系がタイプな人間にとって、つらい恋愛は必要悪です。
痛みから学ぶことで、本当に必要な人が徐々に見えてくる。
いろいろつらかったかもしれないけど、それはすべて必要なプロセス。
結論から言うと、エリさんはとても良い方向に向かっていると思うのです。
出口まであと一歩だと思う。
斜に構えた屈折した人ではなく、強さと優しさを持った真っ直ぐな人を選びましょう。
自分の好みのタイプは避けて、好みじゃないけど波長が合う人がお勧め。

好みのタイプに対する衝動というのは、
理性とは別のレベルから発するものだから、無くなるわけではない。
でも、自分の十字架を自覚すれば、理性で何とかなります。
俺の場合は、昔は不幸な女性にめろめろだったのだけど、
どん底を経験したおかげで、今ではすっかり不幸な女恐怖症です。
不幸な女にときめくことはときめくんだけど、元彼女のイメージが浮かんだ瞬間に吐き気がする。
これぐらいになれば、防御は完璧です。


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コメント 8

katuoさん、TBありがとうございます。
katuoさんに出口まであと一息って言われると、
なんだかほんとにそんなような気持ちになってきます(笑)
暗示効果???(笑)
自分の癖に気をつけて頑張ります♪
by (2005-08-14 08:18) 

oka-ka-i-love-rock

こんにちは、katsuoさん。
すごいですね。何て言うか....
私の母は、何故あんな風なのかは分かりませんが、
冷たい父に口答えをせずに我慢して、私に愚痴を言い続けて生きて来ました。
私は今、母の声を聞くだけで吐き気とイライラがします。
遠ざけたいけど周りがそれを許してくれません。
katuoさんのような強さが欲しいです。
by oka-ka-i-love-rock (2005-08-14 11:21) 

「吐き気」笑っちゃいました。

失礼かも知れませんが、
katuoさんとは似ている部分が
あるような気がしてしまいます。

僕は誰かを助けなきゃ、救わなきゃって思ってました。
でも、それではシアワセになれませんでした。
いまは昔の彼女のことを思い出すと
「吐き気」、します(笑)
引きずられるだけで、
自分もダメになっていくことがよくわかりました。

だから、いまはシアワセです。
by (2005-08-14 12:02) 

まい

好みの人と見つけるとついついときめいてしまう私。katsuoさんのお母様に必要だった3ステップ、そのまま使わせていただきます。そして『好みじゃないけど波長が合う人』を見つけられるように心がけてみます!
by まい (2005-08-14 16:20) 

katuo

eriさん
落とし穴が見えていれば、落ちる心配はない。
他人を幸せに出来るのは幸せな人だけ
ということに留意すれば、相手は自ずと見えてくるはず。

おかあかさん
>冷たい父に口答えをせずに我慢して、
>私に愚痴を言い続けて生きて来ました。
我慢しているのではなく、勇気がないから摩擦を避けているのでしょう。
そして、ためたストレスを自分より弱い子供にぶつけて、本人はすっきり。
弱い人間の典型的な行動パターンと思われます。

>私は今、母の声を聞くだけで吐き気とイライラがします。
>遠ざけたいけど周りがそれを許してくれません。
すみやかに距離をとるべきだと思うよ。
嫌いな人と距離が近すぎるとますます嫌いになる。
おかあかさんが自分の幸福を追求するのに他人の許可は不要です。
そもそも、幸福追求を妨害するような人間は、
おかあかさんのことを愛していない。
利用しているだけです。
そんな奴らに気兼ねする必要なんて無いと思うのです。

>katuoさんのような強さが欲しいです。
自分を守れるのは自分だけ。
摩擦を避けて周りの顔色を見て生きるか、
軋轢を恐れずに自分の人生を生きるか。
おかあかさんの明日はどっちだ


jkさん
>僕は誰かを助けなきゃ、救わなきゃって思ってました。
>でも、それではシアワセになれませんでした。
空っぽな人間は他人を利用して自分の存在意義を作ろうとする。
自分より弱い人間を助けると称して、利用していただけ。
だから、お互い様に満たしあうような関係にはならない。
まあ、そのことに気づけたというのは実にラッキーです。


まいさん
俺やeriさんは、自分を幸せにしない異性に惹かれがちだから、
自分の好みタイプを選ぶと、毎回同じような崩壊パターンをする。
だから、好みのタイプを避ける必要がある。
しかし、好みのタイプを選んで幸せになれる人もいます。
ちゃんと愛された人間は、自分を大事にしてくれる人を正確に見抜きます。
まいさんが前者なら好みのタイプを避けるべきだし、
後者なら好みのタイプを追求すべき。
好みのタイプを避ければ良いというような単純なものではないのです。
by katuo (2005-08-15 01:15) 

oka-ka-i-love-rock

katuoさん、お返事、ありがとうございます。
私はずーっと母は「強い人」だと思っていました。
でもやっぱりそうではないんですよね。
軋轢や摩擦を恐れている訳ではないのですが、私も弱いのですね。
母の相手をしていれば、いつかは愛してくれるかもしれないと言う、
淡い期待を捨てきれないのです。
でも、これを機会に、考え直してみます。
この9月に亡父の3回忌と分骨の納骨があります。
それが済んだら、ちゃんと距離を取ります。
真剣にお答え下さってありがとうございました。
by oka-ka-i-love-rock (2005-08-15 01:28) 

まい

好みのタイプは自分の父親みたいな感じなんです。ファザコンではないつもりなので結果論なんですけど。
見た目がクールで影があるような人に惹かれるのですが、そういう人は中身もクールみたいでイマイチ相手にしてもらえません。追いかけられるのが苦手なのでついついそういう人ばかり気になってしまいます。
by まい (2005-08-15 02:10) 

katuo

おかあかさん
>私はずーっと母は「強い人」だと思っていました。
>でもやっぱりそうではないんですよね。
実物を見たことがないので、なんとも言えない部分もありますが、
強い者に服従し、弱い者にきつく当たるのは、弱者の典型です。

>母の相手をしていれば、いつかは愛してくれるかもしれないと言う、
>淡い期待を捨てきれないのです。
>でも、これを機会に、考え直してみます。
これは愛情不足の子供の典型的な発想です。
基本的に、その淡い期待は現実にはなりません。
その期待にすがる限り、縛られ続ける。

距離を置いてみるのは良い手段だと思います。
本当のつながりがあるなら、距離を置いたところで関係は壊れない。
距離を置いたら壊れる関係なら、それに縛られる必要はない。

まいさん
>ファザコンではないつもりなので結果論なんですけど。
配偶者選択における家庭の影響は大きい。
自分では自覚が無くても、
父親や母親に強く影響されている場合が多いです。

追いかけるのが好きなのかも。
幼少期に親から充分に構ってもらえなかった場合、
逃げる相手を本能的に追いかけてしまう傾向があります。
相手が煮え切らない態度をとると、
振り向かせようと躍起になってしまったりする?
by katuo (2005-08-18 23:09) 

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